小規模事業者持続化補助金の申請書、対象者や流れ、書き方は?【概要まとめ】
企業が販路開拓のための新規事業に取り組むのは何かとお金がかかるものですよね。例えば、機材調達、看板制作、Web制作、パンフレット作成、専門家への相談など…
事業者が、これから取り組みたい新規事業の初期投資の資金が少ないときや、もう少しお金があればいろいろできるのに・・・というときに後押ししてくれるのが、今回ご紹介する「小規模事業者持続化補助金」です。
特にこの持続化補助金は地域の商工会議所の窓口で相談に乗ってもらえて、アドバイスをもらえるのがありがたいポイント。
「難しい!自分には無理そう…」と感じる補助金申請ですが、アドバイスをもらいながら時間をかけて丁寧に取り組めば誰にでもできるものですので、対象に該当するかたは、最初から諦めずにぜひチャンレンジしてみてはいかがでしょうか。
今回は小規模事業者持続化補助金を申請するにあたって、対象や流れ、書き方などの概要や気になることをまとめてみましたので参考になれば幸いです!
※会社によって、内容や切り口は違ってくると思いますのでこの記事は参考までにご覧ください。
※この記事は2020年7月6日時点の情報です。最新情報は公式サイトでご確認ください。
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「小規模事業者持続化補助金」とは?
小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者が行う販路開拓や生産性向上の取組みに要する経費の一部を支援する制度です。
現在(2020/07/06時点)は「一般型」と、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業者向けの「コロナ特別対応型」の 2種類があります。
この制度は、商工会、商工会議所のサポートを受けながら経営計画書、補助事業計画書を作成することができます。
経営計画書に沿って、地道な販路開拓等に取り組む費用の2/3の補助を受けることができます。補助上限額は50万円です。
ガイドラインに基づき感染拡大防止の取り組み(事業再開枠)を行う場合は、定額補助にプラス50万円上乗せで、100万円の補助が受けられます。クラスター対策が特に必要と考えられる施設事業者は、さらに上限50万円上乗せで150万円の補助となります。
この補助金は現在のところ年に約4回提出の機会があり受付の回ごとに審査・採択が行われます。なお、一般型とコロナ型はそれぞれ締切が異なりますのでご注意ください。
申請についての手続きや提出書類の雛形などは、各公式サイトをご覧ください。
一般型とコロナ特別対応型の違いは?
一般型
「一般型」は、経営計画に基づく、小規模事業者の販路開拓や生産性向上の取組みに要する経費の一部を支援するもので幅広く使うことができます。開拓販路として対象となる市場の範囲は、日本国内および海外市場も含まれます。消費者向け、企業向けも問いません。
コロナ特別対応型
「コロナ特別対応型」は、下記3つの項目に当てはまる項目が対象となります。
1、サプライチェーンの毀損への対応…顧客への製品供給を継続するために必要な設備投資や製品開発を行うこと。
2、非対面型ビジネスモデルへの転換…非対面・遠隔でサービス提供するビジネスモデルへ転嫁するための設備・システム投資を行うこと。
3、テレワーク環境の整備…従業員がテレワークを実践できるような環境を整備すること。
持続化補助金と持続化給付金との違い
今回ご紹介する「持続化補助金」は、使途を限定しており、小規模事業者等が行う販路開拓や生産性向上の取組に要する経費の一部を補助します。
一方で、「持続化給付金」は、新型コロナウイルス感染症の拡大による営業自粛等により特に大きな影響を受ける事業者に対して、事業の継続を支え、再起の糧とするため、事業全般に広く使える給付金を給付されるものです。
目的や用途が異なるものですので、ご注意ください。
そもそも自分は補助金対象者?
持続化補助金を受けられる対象者は、
・小規模事業者
・一定の要件を満たした特定非営利活動法人(要件とは、法人税法上の収益事業(法人税法施行令第5条に規定される34事業)を行っていること、認定特定非営利活動法人でないこと)
です。なお、以前に採択されて補助事業を実施した方は受けられません。また、コロナ特別対応型と一般型の両方を採択された場合は、どちらかしか補助金を受け取れません。
小規模事業者の定義
小規模事業者とは、
・商業・サービス業(宿泊・娯楽業除く):常時使用する従業員の数が5人以下
・サービス業のうち宿泊業・娯楽業:常時使用する従業員の数が20人以下
・製造業その他:常時使用する従業員の数が20人以下
の事業者が当てはまります。
補助対象者の範囲
補助対象となりうるのは、
・会社および会社に準ずる営利法人(株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、特例有限会社、企業組合、協業組合)
・個人事業主(商工業者)
・一定の要件を満たした特定非営利法人
補助対象にならないのは、
・医師、歯科医師、助産師
・系統出荷による収入のみである個人農業者
・協同組合などの組合
・一般社団法人、公益社団法人
・一般財団法人、公益財団法人
・医療法人
・宗教法人
・学校法人
・農事組合法人
・社会福祉法人
・申請時点で開業していない創業予定者
・任意団体
などです。
補助金対象となる事業は?
策定した「経営計画」に基づき、商工会議所の支援を受けながら実施する、地道な販路開拓等(生産性向上)のための事業、あるいは販路開拓等の事業とあわせて行う業務効率化(生産性向上)のための事業が対象になります。
補助対象経費は?
対象になるものはなんでも経費になるのではなく、ある程度定められています。
↓まず、(1)~(3)の条件をすべて満たすものが、補助対象経費です。
(1)使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
(2)交付決定日以降に発生し対象期間中に支払が完了した経費
(3)証拠資料等によって支払金額が確認できる経費
具体的には、①機械装置等費、②広報費、③展示会等出展費、④旅費、⑤開発費、⑥資料購入費、⑦雑役務費、⑧借料、⑨専門家謝金、⑩専門家旅費、⑪設備処分費(補助対象経費総額の1/2が上限)、⑫委託費、⑬外注費に使うことができます。
補助対象となる額は、補助対象経費に補助率(2/3 または 3/4)を
掛けた額の合計額(補助上限額まで)となります。
申請時に概算で提出し、採択されたのちに正確な金額が明記されたものを報告する流れです。
補助金を使える内容・使えない内容
使える内容は、広告費や展示費など幅広く使えます。具体的には持続化補助金の公式サイトをご覧ください。
使えない内容としては、自動車やパソコン、タブレット端末などそれ以外のことにも使える汎用性が高いものについては補助金対象として認められないのでご注意ください。
補助率・補助額は?
・補助率:補助対象経費は2/3以内
・補助上限額:
50万円(特例事業者除く)
100万円(特例事業者のみ)
なお、
①「認定市区町村のよる特定創業支援等事業の支援」を受けた小規模事業者
②法人設立日が2020年1月1日以降である会社(企業組合・協業組合を含む)
または税務署に提出する開業届に記載されている開業日が2020年1月1日以降である個人事業主は以下のとおり、
補助上限額
・100万円(特例事業者除く)
・150万円(特例事業者のみ) となります。
複数の小規模事業者等が連携して取り組む共同事業でも申請することができ、その場合は補助上限額が「1事業者あたりの補助上限額」×「連携する小規模事業者等の数」の金額となります。(ただし1,500万円が上限)
補助金申請の締切と受付
申請書類一式の提出方法は、郵送または電子申請です。
※送付時の封筒の表に「一般型 応募書類在中」と記載。
申請書類は主に、
・様式 1 から様式5
・電子媒体
・決算書又は確定申告書
・その他加点審査等を希望するための書類
となります。詳細は公式サイトで確認してください。
郵送の場合は、作成した書類とデータを保存したCD-RやUSBメモリーを、下記日本商工会議所の事務局に締切までに郵送します。(当日消印有効)
具体的な締め切り日などは随時更新されますので直接公式サイトをご覧ください。
なお、提出物も内容によって異なりますので具体的には公式サイトでご確認ください。
(申請書類一式の郵送による提出先・問い合わせ先)
日本商工会議所 小規模事業者持続化補助金 事務局
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷3-11-8
電話番号 03-6447-2389
申請から補助金を受けるまでの手続きの流れ
申請書類を作成!
↓
地域の商工会議所に提出して、様式4を作成依頼・受領します
↓
申請書類一式を日本商工会議所に提出します
↓
申請受付締切後、審査があり、通常は1.5 ヶ月程度で採択者が発表されます
↓
採択の発表後、通常は1週間程度で交付決定通知を送付されます
↓
交付決定通知を受け取り次第、補助事業が開始可能です
↓
補助事業終了後、定められた締切りまでに実績報告書等(補助事業で取り組んだ内容を報告する実績報告書、支出内容のわかる関係書類等)の必要書類を提出先へ送付します。
さて、いつもと違って写真が少なく漢字が多くて小難しい記事になってしまいましたが、ここまで読んでいただけたら、今後ご自身が取り組む事業が対象になるか、今後何をやっていけばいいか、なんとなくわかっていただけたでしょうか?
やってみよう!となりましたら、まずは下記の持続化補助金の公式サイトで締め切りを確認して、雛形をダウンロードし、早速経営計画書などの書類を記入していきましょう。
「経営計画書兼補助事業計画書」の書き方のコツ
・全体的に「数字」を入れる意識をする
・過去の各事業の収支の実績数値を表で入れる
・今後の収支の見通しの数値を表で入れる
・なぜ新規事業をする必要があるのか、新規事業によってどのように売上が変化するのか、具体的な数字を入れる
・どのように事業を育てていくのか、具体的な展開の流れを記載する
・過去の同様の具体的な事例を入れる(誰に何をどのように取り組んだか、クライアントから言われたこと、効果)
・具体的な目標(短期目標、最終目標)の数値を入れる
あたりの数字や情報を入れると、事業について根拠と論理立てて説明ができるようになります。
最後に実際に小規模事業者持続化補助金申請を提出してみた感想
経営計画書などの必要書類を記入していくにあたり、現時点の会社の売上の状況や、今後どうしていきたいのか、今後の目標などがある程度定まっていないと書けない壁にぶち当たるかと思います。
実際にこの記事を書いているビィーゴスタッフの私も、実は前回「一般型」で作成し提出してみたのですが(今は結果待ちでドキドキしています)、書いてみると思った以上に過去の数字を見直したり、今後の伸びを推測したりして表を作成したりする必要がでてきて、自分の会社のことを振り返り、今後のことを考える良い機会になりました。
補助金は、補助金のために事業をするのではなく、事業をするために補助金をもらうものです。この補助金は全額補助ではなく2/3の補助なので、少なからず自分も負担しなければいけないですし、その点は改めて見直して本当に自分が必要な事業なのか改めて確認する機会にもなります。
私も、何度も何度も商工会議所の方に見ていただいて最初の雛形からは何度も書き直して、最終的には枚数もうんと増えて、大ボリュームの事業計画書が仕上がりました。おかげで、考えが曖昧だった部分も明確になり、さらにこの事業をしっかりやり遂げたい!という気持ちになりました。
いきなり完璧にするのは難しいので、まずは自分で書いてみて、商工会議所の窓口に行って相談してみると、見本の計画書がもらえたり、どのように書けばいいかアドバイスをもらうことができます。近しい人に読んでもらって内容が理解できるか聞いてみても良いと思います。
それでは、みなさんも頑張ってチャレンジしてみてくださいね!
小規模事業者持続化補助金公式サイト
集中して申請書類を作成する際には、ぜひビィーゴをご利用ください!