【スナックビィーゴ】「書店編〜本屋さんの話を聞こう!」の様子をレポート!

こんにちは!ビィーゴイベントディレクターのながはらです。2025年5月30日(金)にスナックビィーゴ書店編〜本屋さんの話を聞こう!を開催しました!平日開催にも関わらず、20人を超える方に参加いただき、大いに盛り上がりました。
ゲストのお話がとても面白く、枚方一の日常会話が聞ける素敵な空間になったと思います。
早速当日の様子をレポートします。ぜひ最後までお読み下さい。

スナックビィーゴとは?
軽食とお酒を楽しみながらゲストが歩んで来られた経歴をビィーゴオリジナル「私の履歴書」をもとにお話していただくトークショーです。
毎回ゲストをお招きして、食べて、飲んで、しゃべって、面白い話を聴く。
そんな大人の時間をお届けするのが「スナックビィーゴ」です!



BOOK TONIC MARKETの前夜祭として開催
今回のスナックビィーゴは、2025年6月7日(土)に開催されたイベント「BOOK TONIC MARKET」の前夜祭として開催しました。こちらについては、別の記事で紹介する予定なので詳細は述べませんが、200人以上の方に来場していただき、大いに盛り上がりました。

私は当日受付を担当していました。休憩時間に気になった本をいくつか購入しました。それ以外にも面白そうな本がたくさんありましたが、全部買っていては財布が持たないので泣く泣く断念。

ゲスト紹介
今回のゲストは、BOOK TONIC MARKETに出店されていた烽火書房(ほうかしょぼう)の嶋田翔伍さんと同イベントの主催者菅原奏さん。菅原さんには、スパイスカレーを提供していただいたほか、トークセッションでも聞き手を務めていただきました。
嶋田翔伍さん

1991年、京都府生まれ。京都市在住。京都府立大学文学部卒業。
ひとり(じゃ何もできない)出版社・烽火書房。これからのメディアのあり方をローカルな視点で探求するグループ・uug共同主宰。同グループで2018年に大地の芸術祭にて「Publish-Fablic 地域に編まれる立体MAGAZINE」を出展。大阪にある出版社に約5年間勤務、社史と言わる書籍の編集を行う。現在は編集と執筆を中心に、企画、写真・動画の撮影、エディトリアルデザインなども自らの手で行う。
菅原奏さん

東京生まれ名古屋育ち、京都を経由し現在大阪在住の36歳。
京都芸術大学(旧:京都造形芸術大学)情報デザイン学科卒業。
ものづくりに関係した色々な企業にて営業職として活動を行いながら、2021年よりグッドなフードと、フレッシュなカルチャーをお届けする「FooTURE」の活動を開始。
この度は、BOOK TONIC MARKETの主催者として元気に奮闘中!
トークの前に交流タイム
今回のイベントでは、「ゲストのトークだけでなく、参加者同士のおしゃべりも楽しんでほしい」ということで、トークの前に約1時間ほどフリータイムを設けました。参加者の皆さんは、菅原さんが作ったスパイスカレーを食べながら、フリートークを楽しまれていました。


私もカレーをいただきました。スパイスの存在はしっかり感じられますが、優しい味でとても美味しかったです。

会場では、お酒とおつまみも販売しました。スナックビィーゴは、あくまでもスナック!なので、飲み食いしながらラフな感じで過ごしていただけます。
ちなみに、販売は金曜限定コミュニティマネージャーの山﨑(下の写真左)が担当しています。彼ほどお酒とおつまみが似合う人間はいないと思います(笑)。



トークセッションの前に、全員でカンパイ!
イベント開始から約1時間。そろそろ、人も集まってきて、場も温まってきました。ということで、トークセッションの前に全員でカンパイ!
お互いに初対面という参加者が多かったですが、すでに交流タイムでおしゃべりしていることもあり、すっかり打ち解けていました。


「私の履歴書」・「人生グラフ」をもとにトーク
カンパイの後は、みなさんお待ちかねのトークセッション。ここでは、烽火書房(ほうかしょぼう)の嶋田翔伍さんの人生について「私の履歴書」をもとに深掘りしていきます。MC(進行役)はビィーゴコミュニティマネージャーのアサカワミトが担当しました。

まずは、プロフィールをもとに簡単な経歴を紹介。嶋田さんは、生まれも育ちも京都市、現在も京都市に住んでおられます。大学卒業後、出版社の社史・記念誌編さん部門などを経て、現在は、出版社の代表と書店の共同店主をされています。
ちなみに、大学時代はドイツのラジオドラマを研究されていたそうです。演劇をやっているアサカワは、詳しく聞きたそうでしたが、これだけで終わってしまいそうなので断念(笑)。

続いて、人生の浮き沈みを表す「人生グラフ」を使って嶋田さんの半生を振り返ります。上がったり、下がったり、グラフの変化が大きいところは「ターニングポイント」なので、より詳しく聞いていきます。
嶋田さんの人生グラフが大きく落ち込んでいるのは、大学卒業から就職活動・社会人にかけてのところです。嶋田さんは、この時代について「青春が終わり労働がはじまる」と表現されています。映画サークルで自主映画の制作に関わるなど充実した学生生活を過ごしていただけにギャップが大きかったようですね。
私も似たような経験をしているので、「分かるなぁ!」って思いながら聞いていました。

その後は、「本の周辺で生きる」というテーマで、嶋田さんがこれまで手掛けたプロジェクトを中心に半生を振り返っていただきました。
社史・記念誌を作る会社に就職
もともと、「漫画の編集者になりたかった」という嶋田さんが就職したのは企業の社史・記念誌を作っている会社。正確にいうと、出版社の社史編纂・記念誌部門です。
ここでは、製品の名前を聞けば誰もが知っているだろうという文具メーカーや若者に人気の居酒屋チェーン店、幼稚園・保育園から短大・大学まである学校法人、病院などの社史の制作に関わられました。

社史・記念誌というと、お堅いイメージもありましたが、嶋田さんが作られたものは、ポップなデザインのものが多く、部外者が読んでも面白そうでした。
ここでのキャリア後半には、編集や進行管理に加え、ライティングやデザインも自分でやるようになったそうです。
自由に活躍されているディレクターやデザイナーと出会い、「クリエイティブって面白い」って思えるようになったと振り返ります。

地域おこし協力隊として活動
出版社を退社後は、京都府内の自治体で地域おこし協力隊として3年間活動されました。ここでは、出版社での経験を活かした編集・デザインの仕事のほか、イベントの企画・運営もされました。
あぜみちをランウェイに見立てて行った「あぜみちファッションショー」が面白そうでした。のどかな風景とおしゃれな服を着たモデルさんのギャップがいいですね。

新潟の芸術祭に出展
2018年には新潟県で行われた大地の芸術祭に出展されました。「Publish-Fabric ~地球に編まれる立体 MAGAZINE~」と題した作品は、言ってみれば建築と雑誌の融合。地域に滞在し、取材した内容を文章や写真といった形で表現し、可変式の什器の上に載せていくのだそうです。

出版社の立ち上げ
嶋田さんは、2020年に一人出版社「烽火書房」を立ち上げられます。社名には「必要な時に、必要な人に必ず届くのろしのような本づくりを。」という願いが込められているそうです。これまでに、出されたのは商業出版だけで10冊(ほかにZINE制作や制作請負もあり)。なかには漫画の本もあります。紆余曲折を経て、漫画編集者になるという学生時代の夢が叶っています!
編集方針については、自分自身や自分に近い世代の関心ごとを形にすることをモットーにしているそうです。持ち込みの企画はほとんどなく、嶋田さんから依頼することが多いのだとか。これについて、嶋田さんは「愛されるより、愛したい」と表現されていました(笑)。


友人と書店をオープン
翌2021年には同じく編集者である友人と書店「hoka books」をオープンさせます。現在も共同店主を務められています。ここには、自社の出版物のほか、嶋田さんや共同店主の方がぜひ世の中に届けたい!という本をセレクトして置いているそうです。
嶋田さんにとって大切なのはメッセージを伝えること。伝えたいメッセージがすでに書籍という形になっている場合はそれを販売し、そうでない場合は、自らそれを書籍化して販売する。そんな風に、出版社と書店の仕事を捉えているそうです。
いわゆる町の本屋さんが減少するなか、嶋田さんがやっているようないわゆる独立系書店を立ち上げる動きが全国に広がっています。ただ、本の目利きだけで勝負している(嶋田さん曰く)「ガチ本屋さん」はそれほど多くなく、カフェやゲストハウスなど他の形態と組み合わせて運営しているところが多いそう。嶋田さんも「本業は出版社」だと考えておられます。


質問コーナーも白熱
参加者の方からもたくさんの質問が出ました。なかには、「個人書店で収益は出ているのですか?」といったストレートな質問も。これについて、現場では答えていただきましたが、センシティブな話題なので、ここではシークレットにしておきます(笑)。

トークは1時間ほどで終了。一つひとつの質問に対し、とても丁寧に応えてくださっている姿が印象的でした。
参加者の感想
イベント参加者の方からは、以下のような感想をいただきました。
- ニッチな業界のお話しを聞かせていただきありがとうございました。
- 普段、知ることの無い分野のお話を聞けて非常に刺激になりました。
- 全然知らない業界のことを聞けて刺激的でした。
- よくある生き方をなぞっている人ではなく、自分のポリシーを持って生き抜いている人の話は新鮮でした。



私自身も、本や文章を書くことなど、好きなことにこだわって生きている嶋田さんからたくさん刺激をもらいました。特に、紆余曲折を経て、漫画の編集をすることになった話が印象的でした。(出版社の試験に落ちるなど)一時的に夢は叶わなくても、目の前のことに真剣に取り組めば、いつかまたその夢に巡り逢える、かもしれない。そう思えば、前向きに生きることができる気がします。

嶋田さん、菅原さん、そして、参加してくださったみなさんありがとうございました!!
以上、「スナックビィーゴ書店編〜本屋さんの話を聞こう!」のレポート記事でした!
今後も様々なイベントを開催予定!!
交流を広げたい、視野を広げたい、もしくは新しい活動をしてみたい…。ビィーゴでは、皆さんが新たな一歩を踏み出すきっかけとなるイベントを今後も開催していきたいと思っています。
詳しくは、ホームページのイベント一覧をご覧ください。
