「梅田!ローカルメディア座談会Vol.1」に参加してきました。

こんにちは!! ビィーゴイベントディレクターのながはらです。関西エリアを中心に各地のイベントや人が集まる場所に足を運んでいます。

2024年2月11日(日)に大阪市内で開かれたイベント「梅田!ローカルメディア座談会 Vol.1」に行ってきました。イベントは全3回企画の初回で、今回のテーマは「ローカルメディアって何だろう 地域をカルティベイトする(耕す)メディアの役割と広がるローカルメディアの概念」です。

イベントでは、編集者の藤本智士さんとローカルジャーナリストの田中輝美さんが対談されました。クリエイターの方を中心に多くの方が参加されていて大変盛り上がっていました。

早速、当日の模様をレポートしたいと思います。

会場は梅田の超一等地!

今回の会場はグランフロント大阪「うめきたSHIPホール」。JR大阪駅の階段を降りてすぐそこです。私もよくローカルに関するイベントに参加していますが、これだけの好立地は珍しいです。主催者側の気合が伺われますね。

ちょうど、この時期はスケートリンク「つるんつるん」が営業中。家族連れなどが楽しそうに滑っていました。

梅田のローカルメディアとは?

今回のイベントは、阪急・阪神ホールディングスが中心となって進められている梅田のローカルメディアを作るプロジェクトの一環で行われています。現在阪急電鉄の大阪梅田駅周辺の再開発が予定されており、それを機に自社のことだけでなく梅田の街について情報発信をしたいと考えられているそうです。

ローカルメディアはすぐにできるのではなく、まずは、いろんな人を巻き込みつつ、約1年かけてどんなメディアにするのかを考えていくそうです。今回のイベントは、そんな壮大なプロジェクトのための公開ブレストみたいな感じですね。

主催者側の説明によると、これから作るメディアは情報の送り手と受け手が分断されているがゆえ、消費されてしまう従来のメディアと異なり、みんなで耕していく消費されないものを目指すそうです。

関西の顔というべき街なので、関心も高く、クリエイターの方など約50名が参加されていました。ちなみに、参加者の中に梅田に住んでいるという方はほとんどおらず、梅田で働いている方が2割弱、残りは買い物など用事をすますために来るという方でした。

プロジェクト全体については、ホームページで情報が公開されているので、興味がある方は以下のホームページをご覧ください。

ビィーゴゆかりのお二人が担当者

今回のイベントは、阪急電気鉄道株式会社の永田賢司さん(写真右)と株式会社ここにあるの藤本遼さん(同左)が担当されています。永田さんは、ビィーゴのアンバサダー、藤本さんは、ビィーゴのトークイベントに登壇していただいた方です。

永田さんは、自己紹介の際にビィーゴについて話して下さってました。プロフィール写真はビィーゴで撮られたものでした。感動!

ゲストはローカルメディアの実践者2人

イベントはひとまず全3回開催される予定です。今回(第一回)のトークゲストは、編集者で有限会社りす代表の藤本智士さん(下の写真左・以下智士さん)とローカルジャーナリストで島根県立大学准教授の田中輝美さん(同右・以下輝美さん)。お二人とも多数の著書があり、ローカルメディアの世界では大変有名な方です。

ちなみに、私は前職が枚方 蔦屋書店のコンシェルジュです。お二人にはトークライブのゲストとして登壇いただくなど大変お世話になりました。お二人の対談イベントも担当させていただきました。久しぶりに再会することができてうれしかったです。

お二人のプロフィールです。お二人の著書はまちづくりやローカルについて関心がある方には必読です。ぜひ読んでみて下さい。

藤本智士(ふじもとさとし)さん

1974年生。兵庫県在住。雑誌『Re:S』(2006-09)『のんびり』(2012-16)『高橋優 秋田キャラバンガイド』(2016-現在)編集長を歴任。2020年〜地域編集を学びあうオンラインコミュニティ『Re:School』主宰。「マイボトル」という言葉をつくり、できる限り未来に負荷を残さない社会を提案するなど、誌面に捉われない編集を数々実践。自著『魔法をかける編集』(インプレス)など。共著『Baby Book』(イラストレーター福田利之)など、編集執筆した書籍多数。

田中輝美(たなかてるみ)さん

島根県浜田市出身・在住。大阪大学文学部卒業後、山陰中央新報記者を経て、ローカルジャーナリストとして島根に暮らしながら地域のニュースを記録・発信。著書に『すごいぞ!関西のローカル鉄道』(140B)、共著に『木次線ローカルガイド』(ハーベスト出版)など。「乗り鉄」の顔も持ち、JRは全路線に乗車。関係人口を研究し、2020年、大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。博士(人間科学)。2021年〜島根県立大学准教授。

これからのローカルメディアとは?

二人の自己紹介のあとは、いよいよ本題。これからのローカルメディアについてお二人がクロストークされました。特に印象に残ったお話をピックアップします。

経済合理性に回収されない街の魅力とは?

智士さんにとって、梅田は愛憎半ばある街だそうです。まだ、無名だった頃に展覧会をするなどチャンスをもらったことが印象に残っているとか。「僕が一番楽しかった時期の梅田はカオスさがあったというか、有名無名関係なく、まちから何かが生まれる空気があったんです」と言います。

他方で、経済合理性に回収されてしまった今の梅田には疑問があるそうです。このイベントが生まれるきっかけとなった駅前の再開発計画についても、「なぜ、あるものを生かそうとしないでスクラップアンドビルドしちゃうんだろう?」と話されていました。

その上で、「(メディアを作る際には)経済合理性で回収されないもの、目に見えないものを大事してほしい」とおっしゃってました。

梅田だからこそできるメディアとは?

輝美さんは、ローカルメディアには、誰のために作るのかや、〜らしさというものが大切だという話をされていました。今回のプロジェクトの場合、梅田に住んでいない人がつくるメディアなので、そのことを認識した上で、「梅田だからできるメディアを目指してほしい」とエールを送っていました。

ネーミングは少しダサい方がいい?

輝美さんは、メディアのネーミングは、少しダサい方がいいというお話もされていました。その方が多くの人に「自分でも関われるかも」って思ってもらえるそうです。輝美さんが運営されている「みんなでつくる中国山地」もそのことを意識して作られているとか。

参加者同士で感想の共有

お二人のトーク終了後は、5人ぐらいのグループに分かれて感想を共有しました。私がいたグループでは、梅田のイメージは「買い物に行く街」「大企業中心の街」で、それゆえ、自分の地元のように身近に感じることが難しいのではないか、という意見が出ていました。

その反面、「関わる人が圧倒的に多いため、多様性がある」「マニアックな視点で街を解析したら面白そう」というポジティブな意見もありました。

このプロジェクトは始まったばかりで、この先どんな展開が待っているのか分からないことだらけです。梅田をよく使う枚方市民として、これからの動きを見守っていきたい。そして、できる範囲で関わっていきたいと思いました。

以上、「梅田!ローカルメディア座談会〜Vol.1のレポートでした!

今後の予定について

今後も、関西エリアを中心にいろんなイベントに参加したり、人の集まる場所に行ったりし、そこで学んだことを日々の企画に活かしていきたいと思います。不定期でレポート記事も掲載しますのでお楽しみに!

この記事を書いた人
まさやん
ビィーゴのイベントディレクター兼写真部長です。大阪市生まれ枚方市育ち。地元を拠点に、全国各地のローカル&ソーシャルな活動に関わるべく、いろいろ動いています。趣味は、鉄道旅・読書・スポーツ観戦(特にラグビーが好き)。