ファッション業界の「展示会」とは?目的やメリットとデメリット、流れなどまとめ
ファッション業界の「展示会」とは?
SNSでもトレンドファッションを発信する芸能人や人気のあるインフルエンサーが
「〇〇(ブランド名)の展示会で、こちらをオーダーしました!」と写真とともに紹介している記事を見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。
しかし、そもそも「展示会」とは一体なに?ファッションショーとはどう違うの?
こちらの記事では、ファッション業界における展示会について、
・展示会の種類や目的
・ファション業界の展示会の種類と主な参加者は?
・主な参加者と展示会のメリットは?
・展示会とファッションショーの違いは?
など、展示会の仕組みや雰囲気などについてご紹介していきましょう!
ファッション業界で展示会を開催する目的とは?
簡単に言えば、ファッション業界の「展示会」とは、ブランドや商品を取り扱う卸売業者などによって、商品の展示紹介が行われ、取引先に対して商品のオーダーを受け付ける場となります。
そこで次回のシーズンに打ち出すための商品が展示され、その場で商談も行われます。
つまり、ファッション業界の展示会の目的は、
◯今シーズンの打ち出し商品の説明やPR
◯ブランドを認知してもらうこと
◯新規の顧客を増やすこと
◯商談機会をつくること
◯オーダーを受け付け、ある程度の数を把握するため
◯各店舗で販売する販売員の知識を統一させるため
つまり、販路を広げ、認知度を上げるため。
そして商談や受注というものへつなげることが主な目的ですが、そのほかに同じブランド内で働く各店舗の店長を集め、商品について、同一の知識理解を深めておくという目的もあります。
ファッション業界の「展示会」を取り仕切っているのは?
一般的にファッション業界で多く開催される、アパレル(衣類メインのファッション)の展示会は主にそのブランドの「プレス(PR)」と呼ばれる広報担当者が中心となって行います。
シーズンに打ち出す予定の商品アイテムを熟知し、商品をより良く見せるための”見せ方のプロ”としての役割を担っています。
展示会のDM発送から、コンセプトに沿った会場づくりや企画、展示会に訪れた方々へのアイテム説明やおもてなしなど、営業担当者と共に展示会全般を取り仕切ります。
ちなみに、テレビ出演者・雑誌などへの衣装の貸し出しを行う窓口もプレス担当者であることが多いです。
展示会とファッションショーの違い
ファッション業界には展示会と同じく、ファッションショーというブランドPRの場があります。
もちろん、すべてのブランドがファッションショーを行うわけではありませんが、ここでは似たイメージであるこの違いについてお話したいと思います。
【ファッションショーについて】
まず、どちらも最終的には商談が目的ですが、ファッションショーはブランドのコンセプトをプローモーションすることがメインとなります。
来場者にそのシーズンのイメージを持ってもらうことが主な狙いとなります。
そのため、ファッションショーはイメージを重視したラインナップになっていることが多く、逆に売りやすいけれどメッセージ性の比較的低い商品は発表しないこともあります。
【展示会について】
一方、展示会ではファッションショー同様にコンセプトのプロモーションも行いますが、前述にあるような「売りやすい商品」が打ち出される場でもあり、顧客との密な商談がメインとなります。
ファッションショーのイメージづくりが「入り口」という役割に対し、そこから踏み込んだ「蜜な商品紹介」が展示会というわけです。
ファッション業界の展示会の種類と主な参加者は?
ファッション業界での展示会のタイプは、大きく分けて2つあります。
1つ目は、複数の企業が集まって開催する合同展示会、
2つ目はブランドやメーカーが独自に開催する主催展示会です。
▽合同展示会
合同展示会とは複数の企業やブランドが集まる展示会です。
主な来場者は関連企業やバイヤーで、企業間での交流も行われます。また、一般客を招待することも多く、大規模な合同展示会でしたら特設サイトからの申込みが可能です。
大規模な合同展示会には多くの人が来場し、自社ブランド以外を目的としてきたお客様に対するアピールにもなるため、新規顧客の獲得に効果を発揮します。
会場内では割り振られたブースでの開催となる場合が一般的です。
合同展示会にはセミナーやワークショップなども併せて開催され、入り口も幅広く楽しみ方も工夫されています。
【国内開催の合同展示会例】
●ファッションワールド東京
アパレル、バッグ、シューズ、アクセサリー、OEM企業/生産工場、生地・素材・副資材を扱う企業が世界中から一堂に出展します。「商談・受注」を目的とした展示会で、世界中から20,000名が来場。
●rooms(ルームス)
ファッション・ライフスタイル・アート・パフォーマンス・飲食など、あらゆるジャンルからのべ1万組以上のクリエイターが参加し、通算 50 万人を動員。2000 年に誕生した国内外のクリエイターを独自の視点で発信するプラットフォーム。
●PLUG IN(プラグイン)
出展カテゴリーはアパレル、バッグ、シューズ、アクセサリー、雑貨、テクノロジー、各種サービスなど。繊研新聞との紙面連動も。
●Asia Fashion Fair
日本最大の中国繊維・アパレル製品展示会。毎年、春は大阪、秋は東京で開催。
また、これほど大規模でなくとも、個人ブランドが集まる合同展示会も多く開催されています。
注目のデザイナーやお気に入りのブランドがどのような発信をしているか、ホームページやSNSをチェックしておくといいですね。
▽主催展示会
主催展示会は、ブランドやメーカーが独自に開催するもので、主に既存の顧客に向けた開催が多く、新商品の紹介や取扱幅を増やしてもらうような密な商談が目的です。
どのブランドに特化し、今シーズンのコンセプトや売出し商品をPRする場であり、受注が主な目的となっています。
訪れる人は主に招待を受けたバイヤーや取引企業、関連店舗、また自社の店舗販売員などがメインです。
まれに「先行受注会」と称した展示会では、一般に開放されることもあります。
会場となるのは、メーカーの社屋内やブランドイメージに沿ったレンタルハウスやスペースなどが利用されるため、コンセプトアピールや雰囲気作りがしっかりしています。
ファッション業界における展示会のメリットとは?
合同展示会、主催展示会と、規模や招待の入り口幅の違いはありますが、どちらも開催するメリットには共通するものがあります。
メリット① 認知度の拡大
特に流行に左右されるファッション業界では展示会を開催することで、今季の打ち出し商品のPRや、メーカーやブランドの認知度のUPに繋げられます。
目まぐるしく変化する流行をいち早く取り入れ、発信し認知してもらうということはファッション業界ではとても重要です。
メリット② 新規顧客の獲得
既存の顧客には今季の新商品を、新規の顧客にはブランド自体をアピールすることができます。
特に合同展示会の場合は、新規顧客の獲得を念頭に入れることができます。
合同展示会では既存の顧客ではない人や企業やバイヤーが多く訪れるので、自身のブランドをアピールする絶好にチャンスとなります。
バイヤーや企業も目に留まる商品を探し、仕入れる目的で訪れるので、ブランドや商品を積極的にPRできます。
メリット③ 新しい商品のお披露目やプロモーション
展示会では、新商品や商品ラインナップなど、これまでになかった新しいサービスやプロモーションの紹介も行っていくことができます。
実際、メールや電話でのやりとりではできないことも直接伝えることができるので、商品に対する思いをしっかり伝えることができます。
メリット④ 既存の顧客・取引先との交流
ファッション業界の展示会は顧客や取引先と交流を深める場でもあります。
バイヤーや企業、店舗の人と直接話す機会となるため、密な商談が可能になります。
雑談から今後のつながりが生まれることも多くあるので、目の前の商談だけでなく、今後も気持ちよく付き合ってもらえるような雰囲気づくりにしていきたいものですね。
ファッション業界の展示会が行われる時期
ファッション業界の展示会の時期や回数はメーカーによって様々
一般的な国内のファッション業界では主に
◎【春夏】と【秋冬】の年2回の開催
◎各シーズンごと、年4回の開催
となっています。
だいたい商品販売時期の半年前に開催し、受注を受けるようなスケジュールで、例えば、1年に2回行うとなると、
5月〜6月【秋冬】の展示会開催
→その年の5月〜6月にかけて行われるのが、半年後となる【秋冬】のシリーズの展示会です。
9月〜10月【春夏】の展示会開催
→その年の9月〜10月にかけて行われるのが、半年後となる【来年の春夏】のシリーズの展示会です。
しかし、近年ではレディースブランドなどは時期や回数を増やしているメーカーやブランドも増えてきました。
メンズとレディース、国内国外などでも展示会の時期や回数は違ってきます。
展示される商品はその場で買えない?
ファッション業界の展示会で展示されているものは、商品サンプルの段階であることがほとんどで、その場で購入することはできません。
あくまで次のシーズンに向けた商品のお披露目と受注が目的です。
受注を受けたのち、生地や工場ラインの関係で商品サンプルから多少の改良がなされることも少なくありません。
また、展示会で受注が少なかったアイテムは生産中止になることもあります。
ファッション業界の展示会開催の流れ
ここからは、実際に展示会を開催するには、どのようなことが必要になってくるのか。
開催する側の目線で見ていってみましょう!
▽展示会の目的を決める
ファッション業界の展示会は先にお話したとおり合同展示会と主催展示会があります。
●合同展示会の場合
合同展示会は来場者も多く、「商品のお披露目」「PR」「受注」が会場内のブースで行われます。
新規の顧客獲得を狙った商談をメインにしたい場合に向いているといえます。比較的費用も抑えやすく、他の出展者とのつながりも増えます。
●主催展示会の場合
一方でメーカーやブランド、または個人が行う主催展示会では、そのシーズンのテーマに沿った展示プランが立てられます。打ち出したい商品をアピールしやすく、雰囲気にあう会場を選ぶことができます。既存の顧客向けの展示会に向いています。
展示会の目的を決め、どちらの展示会が合っているか判断して、開催の準備を始めましょう。
▽展示会出展前の必要な準備
- 招待状・ポスター・パネル・パンフレット等の作成
招待状やパンフレットなど外注とする場合は、そのスケジュールも予めたてておく必要があります。 - 出展ブースや会場デザインや装飾準備
商品が引き立つような会場の雰囲気作りの準備をします。
アイテムだけでなく、季節の雰囲気をイメージできるようなデザインなど、センスの見せ所です! - 映像や音楽の準備
会場づくりの一貫として、映像や音楽の作成も検討しましょう。
会場内でPRできるイメージ映像は、いつでも誰でも見られるものなので、今季のイメージが伝わりやすいものです。 - ノベルティ制作
来場者や顧客向けに喜ばれるノベルティも準備しておきたいもの。センスのあるちょっとしたノベルティはSNSで紹介されることも多いので、どんなものにするのか予めリサーチしておくといいですね。 - サンプルタグや受注のためのオーダーシート等の作成
ファッション業界の展示会では、制作物も多く、スケジュールがタイトになりがちです。
商品サンプル・撮影・カタログ制作だけでも相当な準備が必要です。
テンプレの作成やSNSの活用などを併せて、なるべくスムーズに準備できるように段取りしておきましょう。
▽展示会会場を選ぶ
展示会を開催するにあたって、大きなポイントのひとつが展示場所となる会場です。
コンセプトやテーマに沿って、商品がより素敵に映るような雰囲気をつくることは、センスが重要となるファッション業界の展示会として、とても大切です。
展示会を開催するための場所探しと「4つのポイント」
その1,下見にメジャーを持っていく
会場を下見する際には、出入り口や室内の展示スペースのサイズを測っておきましょう。
ハンガーラックが通るか。マネキンはそのまま入れられるか。
ラックはどうか、などを確認しておくといいですね。
その2,搬入について
荷物の搬入はどうやって行うか。
車での搬入なら、近隣に駐車スペースはあるか。レンタルスペースで行うなら、搬入に使えるエレベーターの利用ができるか、なども確認しておきましょう。
その3,商品の雰囲気に合うかどうか
展示予定の商品と会場の雰囲気はどうでしょう?
周辺のショップから重低音のBGMが始終流れている。会場の置物や装飾が派手すぎる・・・ということはありませんか?
ネットの写真だけで決めてしまった場合、行ってみると随分雰囲気がイメージと違っていることもあります。
せっかくの展示会、こんなはずじゃなかった、という結果にならないよう、しっかり確認しておきましょう。
その4,アイテム数に対して広すぎていないか
アイテム数に比べて会場が広すぎる場合は閑散とした空間になりがちです。
空間が広いな、と感じたら、カタログやイメージオブジェを設置するスペースを作るなど、広い空間を利用して出来ることを検討しておきましょう。
展示会を開催するためのレンタルスペースのおよその費用は?
一般的に1日単位、1週間単位で借りられる費用設定があります。
また地域や規模によって、レンタルスペースの費用が変わります。
特にカフェや小規模な会場では、スペースが併せ持つ特徴によって、費用の範囲もそれぞれ違ってきます。
▷ファッション業界の展示会に向いている、中規模以上のレンタルギャラリー(50㎡以上)の場合
駅から近く、都心の広いところでは、1週間で約20万円〜50万ほどかかります。
費用はかかりますが、レンタルスペースとしての経験も豊富で、設備や準備においても体制が整っている会場が多いです。
主に集客の多めの中規模の合同展示会に向いている会場です。
ただし、その場所による利便性のほか、会場が持つ共用設備や備品についても確認しておきたいところ。
まったく同じ条件の会場はないので、きちんと現地へ足を運び、検討するようにしましょう。
そこで、アクセスや利便性などを考慮した、小規模〜中規模の展示会にオススメの会場をご提案します!
小規模〜中規模の展示会に
コワーキングスペース「ビィーゴ」を利用する
2019年9月にオープンした「コワーキングスペース ビィーゴ」は、大阪・京阪枚方市駅徒歩3分にあるレンタルスペースです。
ファッション、プロダクトの商品展示会や、作品展・個展の開催、ポップアップストアの開催、写真撮影など様々な用途に対応。
個人、法人問わず会員登録不要で、空きがあれば1日貸しから長期利用も可能です。
「ビィーゴ」で展示会を開催するメリット
▽わかりやすい場所にあり、交通アクセスもいい
「コワーキングスペース ビィーゴ」でしたら、枚方市駅徒歩3分でアクセスも抜群です。
京都や大阪などからも京阪電車で気軽にお越しいただけます。
▽雰囲気作りがやりやすい
ビィーゴの内装は、どんな家具にもマッチする白基調でナチュラル系の内装。
・嫌いな人が少ない
・流行に流されず時代に左右されない
・照明づかいで雰囲気を作りやすい
・展示物の邪魔をしない
・赤や青などポイントにしたい展示物が映える
・写真映えの効果も
それだけではなく、落ち着いた雰囲気を演出する効果もあるので、リラックスして商談してもらえる場として最適です。
▽クリエイターが集まるコワーキングスペースがある
そもそも「ビィーゴ」はコワーキングスペース。
「ビィーゴ」の会員の約20%はフリーランスで、中にはクリエイティブなお仕事をされているという方も多くいらっしゃいます。
また実際に「ビィーゴ」でつながり、仕事を依頼する、依頼されるということも。
個展の開催が会員の方の目に留まり、仕事のつながりを作るきっかけになるかもしれませんね。
「ビィーゴ」で個展を開催するデメリット
▽レンタルスペースは安くはない
レンタルスペースの費用は決して安くはありません。
ほかにも色々と下見をしていただいて、交通の便や搬入、共用設備・備品など総合的にみて、会場をどこにするかご判断ください。
これまでの事例をもとにご相談もしていただけるので、展示会を開催する手助けになれば幸いです。
▽小さなカフェくらいのスペースでの展示会にしたい場合
カフェや小さなギャラリーなどでの個展をイメージしている方には、ビィーゴのレンタルスペースが広すぎると感じるかも知れません。
しかし、ビィーゴのレンタルスペースをご希望された場合、そこで同時にワークショップを開くなど、スペースを活用するアドバイス等は精一杯させていただきます。
貸し展示会場(レンタルスペース)の利用の流れ
レンタルスペースのご予約はWebサイトより受け付けております。
見学は事前予約不要でご利用いただけます。
▽詳しいレンタルスペースご利用の流れはこちらの記事をご覧ください。
さいごに
いかがでしたか?
ファッション業界における展示会について、展示会の仕組み、雰囲気は伝わったでしょうか?
展示会ではシーズンテーマや素材について、デザイナー本人から詳しく聞けたり、これからのファッションを一足先に知ることができるのが、展示会の良いところ。
また、来場してくれた方々との交流は創作のステップアップの糧となり、これから広がる繋がりの一歩となります。
ぜひコワーキング・レンタルスペース ビィーゴへ、いつでもご相談ください。
楽しんで開催できるように、お手伝いさせていただきます。