福西孝さんに聴く「ビィーゴにいれば、一人じゃない」【ビィーゴ会員様インタビュー】

三洋電機、パナソニックと、40年以上をメーカーで過ごした福西孝さん。65歳で会社を離れ、現在は「オフィスFKC」の屋号で、企業から依頼を受けて調査やリサーチを手がけています。
最近は、1日でいちばん長く話す相手はAIなんだとか。
今回は、そんな福西さんが独立を選んだ理由、40年の会社員生活で見つけた「働くこと」の意味、そしてビィーゴで過ごす時間についてお聞きしました。(▶︎ナイトキッチンヤマサキの時間にインタビューさせていただきました!)
福西孝さん 「オフィスFKC」代表
三洋電機、パナソニックで40年以上勤務し、技術企画・未来洞察などに従事。65歳で独立し、現在は企業向けに調査・リサーチ・仮説立案を行う。
<インタビュアー>
ビィーゴスタッフ むらにし
<ライター>
ビィーゴスタッフ おおさわ
人よりAIと話してるほうが断然長い!


今日はよろしくお願いします。まずは、福西さんのお仕事について教えてください。

「オフィスFKC」の福西孝です。企業から依頼を受けて調査やリサーチをしています。次にどんな事業のタネがありそうかをリサーチしたり、仮説を立てたりしたものをレポートにまとめてお渡しする、という仕事です。

その調査は、どうやって進めていくんですか?

昔はGoogle検索でやってたんですけど、今はもうAIですね。

日常的にAIを使われているんですね。

はい、AIは便利ですね。月3000円くらいで雇えるスタッフがいるようなもんですよ。

格安のスタッフですね(笑)。AIにも種類がありますが、福西さんは、どのAIを使われているんですか?

Claude(クロード)、Gemini(ジェミニ)、ChatGPT(チャットGPT)です。それぞれの特徴に合わせて使い分けています。


3つも!お気に入りはどの子なんですか?

最近のメインはClaude(クロード)ですね。日本語もちゃんと組み立ててくれますし、実務でいちばん使いやすいです。Gemini(ジェミニ)はよく調べてくれるんですが、平気で嘘をつきます(笑)。ChatGPT(チャットGPT)は、私に寄り添った答え方をしてきます。優しいですね。

それぞれ性格が全然違うんですね。具体的には、どう使い分けていらっしゃいますか?

たとえば、こういう情報があるからストーリーを組み立ててと、まずClaudeに投げる。で、そのストーリーの裏取りをするためのプロンプト(AIに「何をしてほしいか」を伝える指示)を作らせて、それをGeminiに調べさせる。そうやって回していきます。パワポの資料も作らせようと思えば作れるんですけど、微妙に納得できないものができるので、割と自分でやりますね。

めちゃくちゃ使いこなしていらっしゃる……。ちなみに、AI関連の最新情報って、どこから仕入れているんですか?

YouTubeとnoteですね。皆さんがXやインスタを見るのと同じ感覚で、YouTubeを見ています。AI関係で発信している人を何人かフォローしていて、投稿されるたびにチェックしています。

「調べる」ことは会社員時代からずっと得意だったんでしょうか?

そうですね。媒体は違いますけど、昔から新しいものはできるだけ取り入れるようにしていました。仕事柄、そもそもそれを調べるのが仕事なので。
「Xから拾ってきました」では、誰も信用してくれない


情報を扱うお仕事で、大切にされていることはありますか?

一次情報まで辿ることです。気になるワードを見つけたら、まず自分で調べる。そこから、できるだけ最初の発信元、大元の情報を辿れるところまで辿ります。

なるほど。地味ですが大変な作業ですね。

世の中って、他の人が言っていたことを参照して言っているだけ、というパターンがけっこうあるんですよ。それが何重にもなると、もう「本当」が何なのか分からなくなりますよね。


確かに。

人からお金をいただいてレポートを出すわけですから、そこをいちばん大事にしています。「Xの情報です」なんて言ったら、誰も信用してくれませんよ。だから、情報を出すときは必ず裏を取ります。

一般的に、AIは嘘をつくと言われていますが、そのあたりはどう対処されているんですか?

同じ質問をそれぞれのAIに投げてみるんです。それで違っていたら、「これ本当?」「一次情報はどこから?」と尋ねてみて、AIが正直に白状するように仕掛けています。AIを教育してるんですよ。教育するの、割と好きなんです(笑)。
触媒になる


屋号の「FKC」について、由来を教えてください。

福西だからFKC、というのもあるんですけど(笑)。Future Knowledge Catalyst の頭文字でもあります。Future Knowledge(フューチャーナレッジ)は、未来を開くための知識や情報を集めるという意味。Catalyst(カタリスト)は、日本語で言うと触媒です。

触媒?

まあ、ビィーゴみたいなもんですよ。

ビィーゴみたいなもの??

ビィーゴって、別に「この人とこの人を引き合わせます」って仲介してるわけじゃないですよね。でも、ビィーゴという場所があるから、人と人がつながっていく。


確かに、そうですね。

化学の触媒もそれと一緒で、自分自身は反応しないけれど、そこにそれがあることで、こっちとこっちがくっついて変化する。仲人でもないんやけど、雰囲気を作る。場を作る、環境を作るというイメージですね。

福西さんのお仕事も、何かを動かすための環境を作られているということでしょうか。

そうです。僕自身が企画や事業をやるわけじゃなくて、「こんな情報があって、こんなチャンスがいくつかありますよね」と整理して出す。そこから選ぶのは僕じゃなくて、お客さんです。「何か」を見つけるきっかけを作る、という感じです。

きっかけを作る…。ビィーゴと同じですね。納得です。

企画の土台部分、判断材料を用意する仕事です。判断しやすくするために、正しい情報をわかりやすく整理することが大事なんです。
開発をしていたのは、最初の3〜4年だけ


独立される前は、ずっと会社員をされていたんですよね。

はい。サラリーマンを40年以上やりました。新卒で三洋電機に入って、枚方の研究所に配属されました。1号線を大阪に向かって、菊ヶ丘を越えた左側のところです。今はもう倉庫が建ってますけどね。

枚方にお住まいですもんね。

学生時代は京都で、就職して枚方に移りました。そのあと守口と門真。京阪沿線から全然出てないんですよ(笑)。

本当ですね。最初はどんなお仕事だったんですか?


専門はコンピューター関係で開発をしていました。40何年前のコンピューターだから、大したことないですけどね。でも、結局そこで開発をやってたのは、最初の3〜4年だけです。

40年のうちの、3〜4年だけなんですか。

あとはだいたい、偉い人の資料を作ってました(笑)。

他にはどんなお仕事をされてきたんですか?

開発から企画のほうに移って、技術企画という仕事をしていました。次にどんな技術を開発するかを考える仕事です。この仕事がいちばん長かったですね。
その後、2011年末に会社(研究所)そのものがなくなって、パナソニックに移りました。昔でいう松下電工です。

どういったものを扱う部署だったんですか?

コンセントとか、照明とか。これらは、生活が変わっても、人が変わっても、家の中に絶対に必要なものですよね。インフラに近い商品を扱っているガッチリした会社でしたが、それでも新しいことをやって事業を広げないといけない。
海外事業を拡大しよう、とか、成熟市場でいかに成長するかを考えよう、ということになるわけです。それで、将来世の中がどう変わるか、暮らしや人の価値観がどう変わるかを考える20〜30人くらいの部署ができました。


未来を考える部署ですか。

Z世代とか、いろいろ言うじゃないですか。僕らみたいなおじいさんとは、だいぶ価値観が違う。じゃあその価値観だと、商品や事業を考えるときに何が大事になるのか。アジアとかヨーロッパとか、海外のことも含めていろいろと調べました。
最後の20年、何してたんかな


そのあたりは、今のお仕事内容と近いですね。

近いです。ただ、40歳を超えると管理職になって、最前線の仕事から離れていくことが多いんです。

なるほど…。

周りには実際に手を動かしている人たちがいて、自分もその仕事がやりたかったんですが、部門の経営や予算管理もやらないといけなかったんです。
で、60を超え65歳が近づいて、ふと思ったんです。「結局、最後の20年、何してたんかな」って。

それが、独立のきっかけだったんですか。

そうですね。仕事自体は好きなんですが、それを実務としてはやってなかったわけです。だったら自分でできることをやろうと。


今のお仕事は前の会社からのご縁なんでしょうか。

はい、そうです。元の仕事で関係していた人たちから依頼を受けることが多いです。だから、独立してるって言いながら、あんまり独立してないんですよ(笑)。

いえ、そこはやはり現役時代の信頼があるからこそのお仕事だと思います。

毎月仕事があるわけじゃないですけどね。ある時はあるし、ない時はないってこともあります。

ない時期は、どう過ごされているんですか?

ちょうど今がそうなんです。先週で一区切りつきました。
次は先方が僕のレポートをもとに自分たちでまとめるフェーズなので、こっちは手が空く。その間に自分でリサーチしてネタを集めたり、AIの環境をもっと使いやすく準備したりしています。
僕には何ができるのか


福西さんにとって、「働く」とは何でしょうか。

昔は55とか60で定年して、定年すると一気におじいさんになりますよね。

社会の中でおじいさんという位置付けになるということですか。

そうそう。あんまり役に立たへんで、周りの人に支えてもらう存在になる。そうならないようにしたい、というのがまずあって。
いつまでも社会の一員として何かやっていて、存在する意味があるという状態でいたいと思っているんです。ただのおじいさんにはなりたくないんですよ。


それは若い頃から思われていたんですか?

若い頃は、会社の一員でしたからね。会社の一人だと、会社のために何かやって、それで給料をもらってオッケー。
社会人と考えたら、社会の中で自分は何の役に立てるのか、何のために仕事をするのか、という話になると思うんです。
それが「会社人」から「社会人」になるということかな。

なるほど。

そのうち死ぬんだろうけど、その時に「なんか役に立ってたな」って思われるほうが、いいんじゃないかなと。
やりたいことは後からついてくる

ビィーゴには学生さんも多いので、就職活動や進路に悩んでいる学生さんにメッセージをいただけますか。

若い人は、あんまり後先を考えずに、やりたいことにいろいろチャレンジしてほしいと思っています。

考えすぎなくていい、ということでしょうか。

やったらどうなるやろうとか、周りがどう見るやろうとか、自分は何が得意なんやろうとか、いろいろ考えると思うんですけど、それは後からでいい。


考えるのは後からでいいんですね。

僕、60を過ぎて、65になって一人になってみて、初めて「自分には何ができるんやろう」って考えたんですよ。

65歳になってからですか。

会社の中にいる時は、何ができるかなんて考えなくても良かったんです。でも一人になったら、考えないといけなくなる。会社を辞めるのはあっという間でした。それでほんまに考えて、結局「調査」というところに辿り着いたんです。

若いうちは、答えを急がなくていいということですね。

まずはいろいろやることが大事だと思います。やってみたら、好きなこと嫌いなこと、得意なこと苦手なことが出てくるものです。それが全部、知識と経験になりますから。
年を取った時に、それが自分の評価軸になるんです。「何が得意やったな」「何が好きやったな」って、たぶん自然と自分で分かると思いますよ。


逆にやりたいことがたくさんあって、「これだ」と決めて突き進むタイプの方もいらっしゃいますよね。

そういうすごい人もいますね。それはそれでいいと思います。でも、そうじゃないからダメとか、そんなことを考えるんじゃなくて、いろいろやったらいいと思うんですよ。
会社の中で言われてやることで、「これちょっと嫌やな」と思うこともありますよね。でも、まずはやってみる。それはそれで、後からすごい役に立つんちゃうかな。

深いですね…。

村西さんは、まだ若いやん(笑)。まあ、50歳くらいを過ぎたら、そろそろ考えたほうがいい。早めに考えたほうが、早く次のことをちゃんと考えられるっていうのもあります。まぁでも、僕なんか全然考えずに65歳までいきましたから。

いろいろやっていくうちに、ちゃんと得意なことが残ったんですね。

得意だったかどうかは、もう分からへんけどね(笑)。
ビィーゴにいれば、一人じゃない


ビィーゴのいいところや、「もうちょっとこうなったらいいな」というところがあれば教えてください。

いいところは、山崎さんを中心にいろいろイベントを考えてくれるところですね。

ありがとうございます。逆に、こうなったらいいなというのはありますか?

会員さん同士の集まりを、もうちょっと広げられたらいいなと思っています。最近のイベントは、僕とスタッフさんで喋ってる、みたいになりがちで(笑)。

まさに今日もそうですね。


ナイトキッチンとかコーヒータイムとか、話す機会はあるんですよ。でも、知ってる人は知ってるけど、それ以外の人と接点を持つ機会がなかなかない。どうやったらもうちょっと広げられるかな、というのは思いますね。

運営目線(笑)。ぜひ一緒に考えさせてください。9月には福西さんのイベント登壇も予定されていますよね。

AIをどう使ったらいいか分からへん、という話があったので。もうネタは20枚くらい仕込んでます(笑)。15分くらいのつもりやったけど、放っておくと1時間喋れそう(笑)。

楽しみにしています!では、「私にとってビィーゴは( )ができる場所」を教えてください。

新しいつながりができる場所、ですかね。当たり前すぎるなと思いながら、なかなかいい言葉が見つからなくて。
一人で仕事をしている人って多いじゃないですか。学生さんも一人で勉強していますよね。でも、ここに来たら一人じゃない。

ビィーゴにいれば、一人じゃない。

そうそう。そういう場所であり続けてほしいなと思います。


福西さんは、ビィーゴを利用されてどれくらいなんですか?

まだ2年ですよ。古株みたいな顔してますけど(笑)。

そんなことないです(笑)。いつもイベントに参加してくださって、ありがとうございます。

もう、スタッフになろうかなと思ってます(笑)。


できる気がします(笑)。では最後に、これからビィーゴの利用を検討されている方にメッセージをお願いします。

一人で仕事をしている人、一人で勉強している人に、ビィーゴに来れば、一人じゃないですよ、と。これですね。

ありがとうございます。インタビューは以上です。貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!

福西さんのプロフィール
福西孝さん 「オフィスFKC」代表
三洋電機、パナソニックで40年以上勤務し、技術企画・未来洞察などに従事。65歳で独立し、現在は企業向けに調査・リサーチ・仮説立案を行う。
編集後記
40年のキャリアをお持ちなのに、インタビューのお話の中心がいつも「これから」であることが印象的でした。AIを教育し、YouTubeで毎週新しい情報を追いかけ、イベントに登壇と、65歳を超えてもなおアグレッシブな行動力。私も見習いたいと思いました。福西さん、インタビューへのご協力をありがとうございました!(スタッフ:おおさわ)








