ビィーゴ プログラミング部に聞く「プログラミングで出来ることとは?」【ビィーゴ会員様インタビュー】

第21回目となる会員インタビューはビィーゴ プログラミング部のお二人にインタビュー!!

プログラミング部とは、ビィーゴの会員さま同士で立ち上げる部活動のひとつ。
ビィーゴの月額会員である渡辺洋一郎さん中川豊蔵さんのお二人が意気投合して、プログラミングをする部活動を始められたのが昨年23年4月のこと。

今回は、お二人が作った「集中ルーム空席状況確認システム」がビィーゴで実装されたので、それを記念してじっくりお話を聞くことにしました!

そもそもプログラミングとはなんなのか? という話や、今回のシステムについて。そしてお二人のこれまでや、プログラミング部結成のきっかけなど、盛りだくさんでお届け!!

縦横無尽にお話される空気感をそのままに、お二人がビィーゴで楽しく過ごされている雰囲気が伝わればと思います!

それではどうぞ!!

ビィーゴ プログラミング部

【プロフィール】
渡辺 洋一郎

2023年3月に、サラリーマンを卒業して「よろずフリーランス」開業。
レパートリーは、ポン菓子の実演販売と巨大シャボン玉遊びの「ひらポン倶楽部」/極少出版の「とれぶ出版部」/PC修理/手焙煎珈琲/地域密着型情報紙「LIP」などなど。
地域のイベントなどでポン菓子やシャボン玉遊びをやってるおじさんがいたら、わたしの確率高めです。とにかく「作らずにはいられない」モノづくりマニア。ビィーゴで役立つモノを作りたい。

【プロフィール】
中川 豊蔵

総合電機メーカーに勤務し、主に海外会社における情報システムの企画・設計・開発・導入を担当。マレーシア・シンガポール・US・メキシコ・インドネシア・中国に駐在。
21年に定年退職し、22年よりビィーゴを利用。23年よりプログラミング部としての活動開始。
以前より興味のあったAIに関する知識習得を手始めに、IoT・ノーコード開発・ネットワーク・動画編集…と分野を絞り込むことなく、幅広く情報収集等の活動をしている。
趣味は、旅行・スキューバダイビング・スキー等。

↑↑ 趣味のスキーを360°カメラで撮った動画!

<インタビュアー>:西野 友梨(ビィーゴ学生スタッフ)
<付き添い>:アサカワ ミト(ビィーゴ コミュニティマネージャー)/ ひらいわ(ビィーゴスタッフ)

海外勤務経験から、様々な体験をされた中川さん。

西野

今日はよろしくお願いします。では早速、自己紹介をお願いします。

中川さん

中川豊蔵です。定年退職して、今は自由気ままに過ごしています。以前は総合電機メーカーに勤めていました。入社から退職までずっと同じ会社で働き続けましたので、今では珍しい待遇で終えられたのかもしれませんね。

仕事はシステムエンジニアをしていました。働いていた頃は、会社が全世界に展開している時期だったので、私は海外を転々としました。

西野

そうなんですね。どういった国に行かれたんですか?

中川さん

東南アジア、そのあと北米、一旦また東南アジアに行き、そして中国でしたね。初めはマレーシアのクアラルンプール近くのシャーアラムと言うところ。そのあとはシンガポール。次はメキシコ。メキシコ勤務の時はアメリカ西海岸のサンディエゴでホテルに滞在していたので、毎日国境を渡ってメキシコに入って出勤していましたね。

西野

毎日国境を渡ってたんですか!

中川さん

メキシコ側だと治安が悪くて、非常に危なかったんですよ。その後はまた東南アジアに。今度はインドネシアのジャカルタに家族帯同で行きました。ただちょうどその頃、アジア通貨危機が起こった頃だったのでアジアの通貨が大暴落。暴動が起きていたんです。それで日本人学校に通っていた子供が学校から家に帰って来れなくなったなんてこともありました。

西野

えーーーっ!!!

中川さん

そのことを後で「どうだった?」って子供に聞いたら「みんなと暮らせて楽しかった」って言ってたんで、まあ良かったんですが(笑)

西野

トラウマとかにならなくて良かったですね(笑) 海外での勤務は大変でしたか?

中川さん

そうですね。海外での勤務って、一匹狼でやらないといけないんです。

日本の場合だと逆に作業分担が細かく別れているので本当にそれだけをやってたらいいんですけど、海外に行くと自分だけしかいない。例えば人事採用から、その頃は無線LANがなかったので、コンピュータルームの床上げを行って、ケーブルを引っ張ったりだとか、そういうことを全部やるんです。だから、今でいうシステム屋さんとは随分違いますよね。

海外では本当に幅広いことをさせてもらいましたが、とはいえ私に残ったスキルは非常に薄っぺらいものだったかもしれませんね。自己紹介になりましたでしょうか?

ミト

OKです! ありがとうございます。

定年後、「よろずフリーランス」として活動する渡辺さん

渡辺さん

渡辺洋一郎といいます。去年定年退職して、今は「よろずフリーランス」と名乗っています。まあ「よろず」なので、頼まれたら何でもやりますみたいな感じでやってるんですけど、実態としてはほぼ遊んで暮らしています(笑) メインの業務は、孫の幼稚園のお迎えです。
季節によっては、「ポン菓子屋」や「しゃぼん玉遊び」で地域のイベントにも出没します。地域密着型情報紙LIPも編集しています。

西野

それはほんとに萬ですね(笑)

渡辺さん

最近は、「出版関係」と「IT関係」と「プログラミング」に費やしている時間が多いんですけど。

西野

出版関係ですか? それってどういったことをしているんですか?

渡辺さん

出版って言っても、「極少出版」って名乗ってて、ほんとに小規模で、いわゆる私家本を作っています。自費出版で本を作ろうと思うとかなり高くつくので、趣味で自分で製本して作っていたら、依頼が来るようになって。

いまは年に6冊ぐらいかな。エッセイを書いたから一冊にまとめてほしいとか。依頼を受けたら、その原稿を綺麗にまとめて版下(製版用のマスター原稿)を作って製本する、ということをしています。

最初の頃は編集・印刷から製本まで全部手作りでやってたんだけど、最近はそれでは回らなくなってきたので、製本の作業だけは印刷屋さん任すことが多いですが。

西野

なるほど、面白いですね。IT関係というのは??

渡辺さん

これも別に大した話じゃなくて、僕の友達が子育て支援施設をやってて。でもみんなパソコン関係が苦手なので、例えばイベントの申し込みフォームを作るってことから始まって、パソコンが動かなくなったから修理するとか、細々したことを手伝ってます。

ミト

確かにそれも立派なITですし、施設の職員さんからしたら、違う分野の作業だからめちゃくちゃ助かるでしょうね。

渡辺さん

助かるみたい(笑)あとの時間は大体ビィーゴとかでプログラミングをして過ごしています。なんでかっていうと、プログラミングってハマりだすとめちゃめちゃ時間をつぎ込んでしまう(笑) 僕はハマりだすとひとつのことに没頭してしまうので、隣から話しかけられても気がつかないこととかあるんじゃないかな。

中川さん

よくある(笑)

常に新しいモノを追い求めている中川さん。

西野

なるほど。「よろずフリーランス」がどんな感じなのかわかってきました(笑) ありがとうございます。

中川さんはどうでしょう。ビィーゴでどう過ごされていますか?

中川さん

まあ一言でいうと、会社勤めしていた頃には出来なかったことをやっています。

日本に戻ってからは会社ではほんの一部分の業務を、しかもそこばっかりやるっていうのがちょっと不満でした。だから会社を辞めたら自分の本当に好きなことをやろうと思っていたので、ビィーゴではそれをしています。

西野

具体的には何をされてるんですか?

中川さん

私は新しいモノ好きなので、「いま新しい技術はどういうものがあるんだろう」っていうのを自分なりに調べて、理解して、それを噛み砕いて、何とか自分のものにして…っていう具合に毎日勉強をしています。で、それが形になって人に喜ばれるものでありたいと常々思ってるので、プログラミング部として洋一郎さんと一緒に活動もさせていただいてます。

西野

それは、モノ作りなどがお好きと言うことですか?

中川さん

モノ作りに限らず、新しい物が好き。新しいことに触れて、それについて考えを巡らせるのが好きなんですね。それを具現化していくプロセスが好きなので、そういう意味ではモノ作りも含まれるかな。

そもそも「プログラミング」とは…??

西野

「プログラミング部」と言うワードが出てきましたが、お二人は今ビィーゴでプログラミング部を立ち上げられて活動されていますよね。

ただ正直、読者や私も含めてそもそも「プログラミング」って何? と思っている方も多いと思うので、この機会に簡単に説明していただけますか?

渡辺さん

うーん……それは、難しい(笑)

中川さん

難しいね(笑) まず私なりにわかりやすく言うと、、、

いま世の中にはあらゆるところに便利な製品があふれていますが、プログラミングは、それらを期待通りに正しく動かすようにコンピュータに指示することです。コンピュータにお願いするときの「言葉」のようなものですね。

人間に頼むと難しいことでも、コンピューターに頼むときっちりその通りに動いてくれる。それを自分で作れるっていうのは楽しいんです。既にある製品を使うだけでも日常では充分事足りるんだけど、私たちはやっぱり自分でモノを作ってみないと気が済まない。出来るまでは本当に色々と悪戦苦闘するんだけど、最終的に動くようになると、想像していたものが目に見えるようになって、やった〜!となる。それがプログラミングの醍醐味なのかなと。

ちょっと抽象的な答えになってしまうんですけど、僕が思うにプログラミングっていうのは、自分の夢とかやりたいことを形にできるものだと思います。

西野

おお。なるほど!!

渡辺さん

僕は2023年の3月に定年退職したんですけど、それまでは、プリンターのインクを開発するエンジニアだったんです。だから業務上では全然そういうプログラミングをする仕事じゃなかったんですけどね。

60歳で一旦退職して、再雇用されて65歳まで働いたんやけど、60歳のときに「退職したら僕は何するんかな?」と思い始めた。ずっとやってきたからわかってるんだけど自分はモノを作るのはめちゃめちゃ好き。会社は嫌いやったんやけど(苦笑)、作るものがなくなるのは困るなと。

西野

好きでも会社となったら別ですか(笑)

渡辺さん

仕事で作っていたものは、もの凄くでっかい工場がないと作れないものだから、退職後に個人の趣味で作れるようなものではない。だから自分で作れるものって何か無いかなって思ってたんです。

それでその頃、ネットで「ラズパイ」ってものが流行ってるって知って、それだったらと後輩に「退職祝いにラズパイくれ」って言ったんですよ。

西野

ラズパイ??? それってなんですか?

ひらいわ

「ラズベリーパイ」っていう、ちっちゃいワンボードのマイクロコンピューターですね。手のひらサイズの小さいパソコンみたいなやつ。

渡辺さん

そうそう。いま持ってるこれはラズパイじゃなくて、また違うマイコン(マイクロコンピューター)なんやけど、ラズパイは「Python」っていうプログラム言語でコードを書いて遊ぶもので、こんな画面もなくて基盤剥き出しなやつ。僕は最初そのPythonも全然知らなかったんだけど、ラズパイを貰ったことでPythonやプログラム言語を自己流でやり始めて。でやってみたらこれだったら会社辞めた後も自分で何か作れるやん!」 と思ってハマりだしたかな。

ミト

すいません、「Python」ってなんですか…???

中川さん

「プログラミング言語」っていって、プログラミングのコードを書くにも外国語みたいに色んな言語があるんですよ。一番使われているのは「C言語」っていうやつだけど、最近は「Python」も同じくらい使われるようになってるんじゃないかなー。

ミト

プログラミングにも色んな言語があるんですね。なるほど!

昔に比べ、遥かに簡単になったプログラミング

渡辺さん

で、昔のプログラミングって今とはイメージがだいぶ違っていて。

昔って、パソコンを個人が持てるようになった頃なんだけど、まず当時のパソコンって、自分でプログラムを書かないと何も使えなかったんですよ。

例えばパソコンでゲームをするにも、自分でプログラミング言語を打ち込んで、それでやっと遊べるものだった。そういう雑誌が売ってて、その中にゲームのソースコードが色々書いてあったの。

西野

えー!パソコンってそんな感じだったんですか。

渡辺さん

そうなんですよ。エクセルとかワードとか、そんなソフトウェアなんてもちろん無い。自分でプログラミング言語を打ち込んで、そううことを出来るようにする。

このラズパイもそんな感じで、自分でプログラム書いて何かさせるものだから、僕にとってはあの頃と似たような感じのものだったんです。

今はプログラミングってやろうと思ったら割と簡単になっているけど、僕の時代はそんなところから始まったものだからそれをやるしかなかった。だからラズパイは取っつきとしては身近だったかもしれないなと。

ミト

洋一郎さんにとっては懐かしい感覚だったし、ハードルも低かったんですね。

中川さん

昔のプログラミングって、複雑でコードが長い。それが短くなっただけでも、昔と比べて簡単になりましたよね。

渡辺さん

うん、僕の中ではめちゃめちゃ簡単になった。

何でかっていうと、イチからプログラムを書こうと思ったら、どうやって書いたらいいのかなんて想像すら出来なかった。でもいまは「ライブラリ」っていうのがあって、それがオープンソースっていってネット上で公開されてるんです。

西野

「ライブラリ」ってなんですか?

渡辺さん

プログラミングの、パーツのようなものがたくさん収まっているネット上のファイル例えば車を動かすのにエンジンが必要ですよね。プログラムがエンジンだとしたら、エンジンを作るための部品のことをライブラリって呼んでいます。

世の中には凄い人がいっぱいいて、その凄い人たちが作ったコードの入った「ライブラリ」もいっぱい公開されているから、それを使えば一発で出来てしまう。

西野

もう誰かが考えついていて、それを引っ張ってきて、はめ込むだけなんですね。

渡辺さん

そう。そんなのがいっぱいあるから僕でも出来る。昔ならものすごい苦労して自分でコード書かないと出来なかったような機能が、ここまで簡単にできるようになったわけ。

このマイコンも、こんな小さくてもWi-Fi機能があってBluetooth機能もあるんだけど、それを使いこなすために自分でイチからプログラムを書こうと思ったらすごい大変。けど今はライブラリから見つけて、そのプログラムをはめ込むだけでWi-Fi機能が使えてしまう。それくらい簡単になってきてるんで、すごく取っ付きやすくなったなと。

中川さん

インターネットがなかった頃は、今みたいに見ず知らずの人と繋がるのは簡単じゃなくて、みんなの知恵がなかなか結集できなかったんですね。

自分が作りたいものって、他の方が既に作っていて、素晴らしいノウハウが詰め込まれている場合が多くあります。それが今はクラウド上にアップされていてライブラリという形で全世界の人が使うことができるようになっているのです。

西野

そうなんですね。へー!

中川さん

逆に昔の方が楽だったのは、昔だったらコンピューターの種類や出来ることも限られていたのが、今はデバイスの種類がめちゃくちゃ多い。

するとそれだけ用途が広くなるから、昔だったら考えられなかったアイデアやニーズが出来るわけです。

ライブラリという形で簡単になったけど、システムエンジニア(=プログラミングを職業にしている人)に求められる分野が、日増しに多岐多様になってるので、日々知識をアップグレードしていかないといけない。

簡単になったところもあるけど、より難しくなったところもある。いろいろ複雑に混じって発展してるなと感じています。

西野

ちなみに「ライブラリ」ってどうやって見つけるんですか?

中川さん

Googleで調べれば出てきますが、最近だったらChatGPTを利用すると、どんなライブラリを使い、どのようなコーディングをすればいいのかをいっぺんに教えてくれますよ。いろんな探し方があるので、ある程度は簡単に見つかりますね。

西野

それがオープンソースってことですか。

中川さん

そうですね、それに近いですね。オープンソースというのは、そのソフトウェアを構成しているプログラムの源泉となるコード=「ソースコード」を、無償で一般公開しているものなので、みんなが自由に使えて便利ですよ。

ブログラミングの可能性

西野

プログラミングって出来るようになったら、どんなことが出来るんですか。

渡辺さん

何でもできます。何でも。

西野

例えばどんなものがありますか。

渡辺さん

ありすぎてちょっと答えようがないんだけれど(笑)

ミト

例えば先ほどお聞きした、プログラムを打たないと何も出来なかったという初期のパソコンは、プログラムを打つと何が出来たんですか?

渡辺さん

今みたいにエクセルとか無かったので、例えばグラフを書くにも手書きで書いてたのね。曲線なんかひく時は「曲がる定規」っていうのがあって、それで引いてたの。僕はそれをプログラムにやらせたくて。曲線グラフを書くためのプログラムのコードを自分で書きました。そうするしかなかったから(笑)

中川さん

「プログラミングで何が出来ますか」っていう問いの答えなのですが、「わからない」というのが答えです。どのレベルまで出来るかわからないから色々ネットで調べるんですね。で見てたら「こういうことができるんだ!」っていうのがわかるので、自分なりにやってみる、というのが非常に楽しいんです。

それがさっき言ってた「何でもできる」というところに繋がるのかもしれませんね。

西野

わからないことがわかっていく過程の中にこそ、プログラミングの醍醐味があるってことですか。

中川さん

そうですね。だから最初やろうと思ってたプログラムが、全然違うことをするためのプログラムになったりもするんです。それが別の感動を得られたりすることもあるんで、過程が楽しいと言われたらそうかもしれないですね。脱線しながら色々やっていくのが楽しい。

ミト

最初はそういう用途のつもりじゃなかったけど、作っていくうちに違うことが出来るんじゃないかってなるんですね。それは確かにワクワクしそうですね。

中川さん

そうそう、そこが楽しいんです。

プログラミング部が作った「ビィーゴ空席状況確認システム」

西野

今回、プログラミング部ではビィーゴ集中ルームの空席状況がわかるシステムを作られましたよね。その仕組みについて簡単にご説明お願いします。

↑これが今回実装された「空席状況確認システム」。ビィーゴの受付隣モニターに随時表示。

中川さん

このシステムは、直接見に行かなくてもモニターで空席状況がわかるものなんですけど、簡単に言うとまず、、、カメラを設置して、プログラミングによって、この席は1番、この席は2番、3番…っていうふうに区画を設定します。次に、席に人がいたら「いる」っていう認識を出来るようにしました。その情報を受付の隣の大型モニターに表示させてるだけなんです。

西野

なるほど!

中川さん

こう言うと割とシンプルで簡単そうに思うんだけど、これを実現させようと思ったらホントに大変で、色々なことが起きるんですよ。

例えば、人が座っても反応しないなと思ったらカメラの位置がズレてるだとか。エラー出てるなと思って調べたら、停電で電源が落ちてたとか。この原因を見つけるのがすごく難しいからそこが一番大変。停電なんて作ってる時は想定してなかったから(笑)

ミト

実際やってみて、トライアンドエラーを繰り返す時間の方が圧倒的に長いんですね。

渡辺さん

そうそう。プログラム自体はすぐ組めるんだけど、エラーとかの細かい対応の方がよっぽど大変。今回のシステムはまだ完全ではないので、今後もまだいろいろ起こると思うよ。そこは「ごめん」ってことで(笑)

中川さん

例えば、カメラも全部の画角はカバー出来ないから端の席はパーティションに引っかかって認識しづらい。人間の目で見ても微妙に分かりづらいから、それはAIでも識別が難しい。これをどうやって改善するかを考えていかないといけないんです。

今はまだ5階集中ルームの分しかシステムが出来てないんですけど、作ろうと思ったら、4階にも同じスペックのパソコンを用意してもらわないとなんだけど、それだとお金がかかってしまう。そこまでビィーゴさんには要求できないので、じゃあ例えばそれをラズパイで出来ないか?っていうことを今ちょっとずつやっているところなんです。

渡辺さん

ミトちゃんの言うように、実際やってみないとわからないことっていっぱいあって。

今回のシステム作りをしている中で色々考えていると、もっとむちゃくちゃ簡単な方法でも出来るんちゃうかなって後から思いついたりとかする。そういう、一周まわって元に戻ってきた、みたいなことって何回もあるんだけど、でもこれって実際にやってみないと思いつかないことだから。

中川さん

もういっぱい出てくる。言い出したらきりがないよね。

西野

大変そうですね。

渡辺さん

でもそれが面白い。

中川さん

それが面白い。

ビィーゴを歩き回って見つけたニーズ

西野

どういったきっかけで空席状況システムを作ることになったんでしょうか。

中川さん

プログラミング部を始めたのは良いけど、じゃあ何を作ろうかと思って。そこで、ビィーゴの役に立てるものを作れないかと思い、色々と探り始めました。だから結構ビィーゴ内をウロウロ歩き回ってましたね、その頃。用事もないのに4階に行ったりとか(笑) 

そこで気づいたのが、集中ルームって今どこの席が空いてるか分かりづらいんですよね。みんな集中してる中を通るのも気が引けるし。だから表示出来る何かがあれば良いなと思って作り始めたんです。

西野

確かに私達スタッフも巡回をする際に集中ルームに入るんですけど、気が引けます。混んできた時はこまめにチェックするので何回も行くんですが、利用者の方が「また来たか」みたいな目線を結構送って来るので(笑)

ミト

うん、やっぱり集中ルームを利用する方はそこらへん敏感ですよね。

中川さん

でしょ。でこれ、やろうと思えば家でも空席状況を見れるようになるんですよ。そしたらネットで確認して「いま席すいてるからビィーゴ行こうかな」っていってここへ来る人も出てくると思う。

そうやって考えると、色々ともっと便利にしたいことってあるんじゃないかと思って。それでいつもスタッフに聞くんですけども、これがニーズがなかなか出てこないんですよね。だからニーズを集めることが一番大変かもしれない。便利にしたいことって、意外と思いつかないんだよね。習慣化しちゃってるから「別に不便してない」って思つてしまう。でもよくよく考えたらあるんですよ。

だから色々思いついたらめっちゃ楽になると思うんですよね。みんな「ない」とか、あるいは「できないから」って言っちゃうんだけど、出来るか出来ないかも含めて、出来ることもあるかもしれないから、いっぱい言ってくれたらありがたいなと

西野

これっていわゆるDX化(デジタルトランスフォーメーション)ってやつですね! そうですね、私たちも思いついたら言うようにします!

ところで今回、空席状況システム作る上で特に苦労したなってことはありますか。

中川さん

さっき言っちゃったね笑

渡辺さん

色々と苦労するんだけど、結局それを解決する方法ってのは思いつくんですよね。そうしたら、それは自分のスキルとして残る。

今回のシステムを作ったことで僕のスキルもかなりアップしましたよ。今までやったことなかったけど、やってみたことで自分で出来ることがわかった。これは大きい。

ミト

ああ。やっぱりやってみることが大事なんですね。

渡辺さん

実は今回システムを作ったことで、他にも色んなことに展開出来るようになったんですよ。例えば、マイコンで山の中の畑の温湿度を測って、そこからGoogleスプレッドシートに書き込ませる。すると自分の部屋から今の畑の温湿度がどうなってるか見れるようになったのね。

こんなふうに、苦労したことも、それはそれでかなり自分の身になったので、そこはほんまにやってみるもんですよ。

ミト

うわー。つい苦労を避けようとしますけど、それはちゃんと身になるんですね。

渡辺さん

そう。僕にとっては凄いプラス。

中川さん

僕にとっても凄く身になっていて。技術ってやっぱり教えてもらって知ることも結構あるんですね。

ネットから知ったり、洋一郎さんから教えてもらうこともたくさんあって。そういうときは会話がめちゃくちゃ多くなるよね。今はちょっと落ち着いてるから少ないんだけど(笑) 

それってめちゃくちゃ楽しくてホントに勉強になるんです。そういったスキルの積み重ねが、次に何かあった時どこかで役に立つと思うんですよ、たとえこの歳でも。だから日々どんどんスキルが溜まってプラスになってますよ。

ミト

定年された後もこうして楽しんでいらっしゃって、しかも貪欲に新しいものを探求されている姿勢が素晴らしいですね。

中川さん

もう日々、頭フル回転です。

西野

確かに頭を抱えてる姿、結構見ます(笑)

中川さん

もう抱える時はずっと抱えてるもんね。家に帰っても夢の中に出てくるから。

西野

そこまでですか(笑)

渡辺さん

僕も不真面目なサラリーマンやったから、それを取り返すかのように現役時代よりもよく働いてる(笑)

中川さん

それは好きなことやってるからよ笑

渡辺さん

そうそう(笑) 会社員時代って就業時間があったけど、今はそれがないからのめり込んだらもう、とことんやってしまうのよ。誰か止めてくれよってくらい(笑)

中川さん

そうやね。現役時代はもう土日やって来るのがめちゃくちゃ楽しみだったんだけど、今はもうずっと休みみたいなもんだから(笑) もうそんなの、ずっとここにいてずっと楽しいわけですよ。

西野

最高のビィーゴの使い方をしていただいて本当にありがとうございます(笑)

結成のきっかけはコミュニティマネージャーがいたから??

西野

話をどんどん遡らせてしまって申し訳ないんですが、そもそもプログラミング部ってどう発足したんですか。

中川さん

それは、ミトちゃんから話してもらった方がええんちゃうかなと思うんだけど。

ミト

あれ、ボクきっかけでしたっけ?

中川さん

ビィーゴ来た最初の頃は、ミトちゃんにプログラミングとかpythonの話をよく喋ってて。洋一郎さんもミトちゃんと喋ってたんですよね。そしたらミトちゃんが私たちを繋げてくれて、それで洋一郎さんと話すようになったんです。

ミト

あ、そうでしたね。ボクは洋一郎さんから「もうすぐ定年するから、何かプログラミングをする仲間を集めたい」って聞いてたんですよ。で、ちょうどその頃に豊蔵さんからプログラミングの話を聞いてたので、「これは!」と思って洋一郎さんをご紹介しましたね。

ひらいわ

コミュニティマネージャーしてますね。

ミト

ちゃんと仕事してますね、ボク!してないと思ってた(笑)

渡辺さん

声掛けてもらわんかったら始まってなかったよね。

ビィーゴは色んな人が来てるから、プログラミングやってる人もおるんちゃうかなと思って、こんなの(マイコン)を机の上に目立つように置いてたんやけど、誰も興味を持ってくれなかった(笑)

中川さん

本当はビィーゴ内でも興味を持ってる人って居るんだろうけどね。ただ、プログラミングする際に、色んなレベルの人が集まって作業するっていうのはちょっと難しいんですよね。本当は二人だけじゃなく、もっと色んな人と進めたいんやけどね。

渡辺さん

聞いてくれたらどんどん教えるんやけど、僕は教えるのは多分下手で。 だから「イチから教えてください」って言われると、それは僕には出来へんかも(笑)

でも「プログラミングしてて、ここがわからないから教えて」って言われたら、僕がわかってる範囲なら教えられると思うんで、そんな形やったらいつでも教えるよ。

中川さん

初めはプログラミング初心者向けに「スクラッチ」っていう小学生がやってるようなプログラミング言語のサンプルを持ってきて、ここで会を開いたこともあった。Pythonを使ったとても簡単なレベルのプログラミングがあるのでそのあたりもやってみたりしたよね。

西野

それは私も一回参加しました。

中川さん

そういう形でトライはしてるんだけど、長続きしないんですよ。だから今言ったように、口を開けて待ってる人よりもなんか本当にやりたいっていう意思を持った人が来てくれたら、僕らは結構教えられるよね。

渡辺さん

それなら教えられます(笑)

中川さん

洋一郎さん優しいし、教えてくれるよ?(笑)

渡辺さん

時間あるから(笑)

ミト

プログラミング部のメンバー募集は今後課題ですね。ビィーゴにお二人やがお二人がされていることをもっと知ってもらえれば、参加したい方が現れるかもしれないですね。

渡辺さん

僕なんかよりよっぽどプログラミングを知ってる人って、多分ビィーゴにいるんちゃうかなと思ってますよ。

西野

そんな方とうまく繋がるっていうところが難しいですよね。そういうきっかけ作りみたいなところをもっと作れたら、私たちも思います。

ミト

そうですね、ビィーゴとしてもプログラミングのメンバーが増えれば増えるほど、ビィーゴもDX化されて便利になっていくので重要な課題ですね(笑)

お二人が今後やっていきたいこと

西野

最後に、今後の理想や、やっていきたいことはありますか。

渡辺さん

僕は次に作りたいものがあって、デジタルサイネージ。要は電光掲示板。マイコンでも出来て、今でもWi-Fiに繋がってるんで天気予報とか流れるんやけど。でも、できたらもっと大きくしたい。ディスプレイも液晶じゃなくて、このマイコンは液晶なんやけど、ドットマトリックスっていうLEDが並んだやつにして、ある程度大きいサイネージを作りたいなと思ってるとこですね。

ミト

それが出来たらイベントの告知とかビィーゴで流せますね。チラシより画面の方が視界に入ってくると思うので良いですね!

渡辺さん

それをビィーゴの受付のところに置いて、「プログラミング部へどうぞ!」みたいなのを流すことは出来へんかなーと、色々とそういう妄想をしてます(笑)

西野

ビィーゴは窓がないので外の状況がわからないから、帰る際に天気予報がわかると便利ですね!楽しみにしてます。中川さんはどうでしょうか。

中川さん

私はやっぱり新しいモノ好きなので、これからもどんどん変わる新しい技術を探して、自分でやれることは色々やってみたいという切り口ですね。やっぱり本当に役に立つものを作っていけたら、それが自分たちの大きな励みになる。

自分で集めてちょっとプロトタイプ的に作って「これどうですか?」っていう企画提案がもっと出来たら良いなと思うんですけどね。ただちょっと、これは一人じゃ出来ないというジレンマがあります。

ミト

一人でするには限界がありますもんね(笑)

中川さん

あとは、例えばビィーゴはイベントに力を入れているじゃないですか。だからイベントのデータベース化をしたいなと。データを集めれば、色んな人のニーズを調べられて色んなことがわかる。そういうのをどんどん吸い上げてデータベースを作る。そうするとシステムが企画を発生させたり、ブラッシュアップしたイベントを作っていける。そういうシステムを作った方が良いんじゃないかなと思っています。

皆さんに発想の転換をしてもらえるようなことがトライ出来たらいいなっていつも思ってます。

ミト

イベントの企画を編み出してくれるんですか? それはめちゃくちゃ助かります(笑)

中川さん

僕だけじゃなく、他の人も同じことが出来るようになって、良いものが出来たら良いなって思ってるんですけどね。でもそれって私一人が理解しても絶対に意見通らないから(笑)

ひらいわ

これからは定期的に会議していきましょうか。

渡辺さん

僕はビィーゴでプログラミング部としてやるってことに凄くメリットを感じてて。言うたら2人とも別にプログラムのプロではないワケよね。今までちゃんとした製品を作ったことのない二人が、ビィーゴプログラミング部として作ることで、今の空席表示システムは実現したのよね。

そこには作ったものが実用される嬉しさがあるし、実際ここで動かしてみないとわからなかったこともいっぱいあった。

これが自分の家で一人で作ったとしたら実用するところもないから、出来たものがどんな不具合を起こすのかもわからない。そうするとスキルもなかなか上がらないんよね。

実際ここで使ってもらうことによって色んな不具合が出てきて、それに対処することでスキルも上がった。そういう使い方をビィーゴではさせてもらってて、それはホントに得難いことなのよ。

もしこれがちゃんとした仕事として外部から依頼されて作るものだとしたら、何か不具合なんて簡単には起こせない。でもビィーゴの部活でやる分にはとりあえず「ごめんね」で済むから(笑)

だから、仕事としてではなくプログラミング部として作って、実際のスキルを磨くっていうのは、僕らにとっては凄いメリット。

ミト

ビィーゴとしても、そんなふうにコワーキングスペースを使ってほしいっていう使い方をしてもらっているので本当に嬉しいです。

これがお二人だけでなく、他の方にもこういうふうにして新しい仕事を生んだり、楽しく働けるスタイルを掴んでもらえればと思いますし、そういったことをビィーゴからどんどん発信していきたいので、ビィーゴにとってお二人がプログラミング部として活動してもらえていることは、とてもとても有意義に思っております。

これからも、一緒に新しいことが出来たらと思います。

西野

閉めてくれてありがとうございます。

ミト

ボクが閉めてしまった(笑)

西野

今後もプログラミング部の活躍に期待しています。今日はどうもありがとうございました!

渡辺さん

ありがとうございました。

中川さん

ありがとうございました。

編集後記・・・

インタビューでは、システムについてもっと具体的に説明してくれていたのですが、専門的で長くなってしまったのでカットさせていただきました🙏

個人的に印象的だったのが、やってみないと見えてこないことがあって、ビィーゴでそれが試せるのが有難いというお話。

試すことの大切さや、それが出来る場所があることの重要性を考えさせられました。改めてビィーゴももっとそういうことが出来る場にしていきたいですね。

このインタビュー後もプログラミング部が様々なシステムを開発してくれていて、ビィーゴのDX化が進んでいます! 興味がある方は、ぜひプログラミング部に入ってください!
実際に作ってトライアンドエラーでスキルが身に付く最高の実験場だと思いますよ!

ビィーゴでお待ちしております!

それではまた次回!


この記事を書いた人
アサカワ ミト
ビィーゴ コミュニティマネージャー(アナタとおしゃべりしたい人)
イベントを企画したり、ビィーゴを通して枚方の面白さを発掘したりしています。
演劇活動もしており、カフェなどの日常のそばで小さな公演をしたり、一般の方にも演劇を体験していただける「演劇であそぶワークショップ」などの活動もしています。